庶民な少年の本に関する戯言

不定期で本に関する戯言を書いています。この本について描いてほしいなどあったら『wanko.oneko@gmail.com』までメールください。気が向いたら書きます。

『何者』に関する戯言 自分は何者なのか…?

 こんにちはこんばんは!

 

 今回は『何者』に関する戯言を書いていきたいと思います。

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あらすじ

 同居の光太郎、光太郎の元彼女の喘月、喘月の友達の理香、理香と同棲している隆良と協力して就職活動をすることになった拓人。それぞれ目標に向かって活動していく内にそれぞれの想いが明らかになっていく。自分は何者なのかを問う現代の青春物語。

 

 この本は朝井リョウ先生の直木賞受賞作です。

 

 この本のメインのテーマは就職活動、いわゆる就活です。

 

 まだ、就職活動を体験していない人もいるだろうし、何回もした人もいると思います。

 していない人は就活ってこんなのなんだなぁって理解できると思うし、した人もこんなんだったな、自分の時と少し違うなぁと感じることが出来ると思います。

 

 さて、就職活動ってどのような印象でしょうか。

 僕は、自立の第一歩といった印象です。

 それまで親などにいろいろと助けられてきたことを、自分がやっていかなければならなくなります。そういった準備期間として、自分を見つめなおし、他者に自分を表現する。そういう機会の場なのかなという印象です。

 

 この物語でも、自分を見つめなおしたり、他者に自分を表現したりといった場面がいくつも出てきます。

 そんな中でこの本の題名である『何者』という単語が何回も出てきます。

 自分は何者なのか、何者になれているのだろうか。そのたびにそんなことを自問自答してしまいます。

 

 仲間と一緒に就職活動をすることで、他人の考えに触れる機会が多くなります。

 そういった中で、あの人はこうだ、あの人はここがダメだという他人に目を向けるようになります。

 そんな他人を分析することで、新たなことに気づいたりすることが出来る反面、自分のことがおろそかになってしまいがちです。

 

 

 この本の面白いところは、SNSが上手く絡まって物語が展開されることです。

 情報ツールとして今や主流となっているSNSSNSをやっていれば様々な情報が手に入り、様々な情報を発信できるという便利なツールです。

 SNSでは、短い文章で情報を発信するので、いかに無駄のない文章にするのか、いかに短い言葉で伝えられるかというのが大きいポイントとなっていきます。

 なのでどうしても似たような文章が多くなってしまうのですよね。

 

 そのSNSでの話などが物語の中でも出てくるのですが、そのSNSでのやり取りであったり、発信している文章だったりと現実ってやっぱり違ってくるのですよ。その辺の描写が上手く表現されていて、いろいろと考察が深まります。

 

 この本を読んで、就活は楽ではないことが分かったし、僕はまだまだ自分のことわかっていないのかもしれないなと思いました。

 僕も何者かになれるように努力していきたいと思います。

 

 ではでは。